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Be alone with you


君を繋ぎとめておくのならば、拳銃と手錠。
果たしてどちらが似つかわしいのだろう。

授業の合間に、一寸だけ想像してしまった。
君を汚してしまった、ごめんね。
だから、慌てて走ったんだ。

小さな、後ろ姿。

見紛うことないそれに密やかに手を伸ばす。
君の視界をこの手で遮る。僕が君を支配する。


「何やってんの」

「目隠し、誰だと思う?」

パチパチと瞬く眸の睫毛が手に触れてくすぐったい。

「子供みたい」

「ねえ、誰だと思う?」

容易く言い当ててよ、判っているとしても。
視界が途絶えても、沢山の人影が横切っても。

「不二センパイ」

「当たり」

君に触れられるのは、まるで僕しか無いように。

「正解したんだから、景品頂戴」

辺りに人が居ない事を確認して小さく桃紅色の唇が弧を描く。

「ええと、何が欲しい?」

僕はその誘いを断れるはずもない。

「キス」

君の大きな双眸に僕の姿が反射する。
嗚呼綺麗だね、君の眸。
真っ黒な、君の眸。

接吻けに幽かに揺れる、瞼も愛しいんだけれど
早く目を開けてどうか一心に僕を映して。

「さっき、一寸ね」

「何?」

「先輩だって、判ってたんだけど」

「うん」

「先輩で無かったら、如何しようって。怖かった」

「うん、御免ね」

「二度と、俺の視界から消えたりするなって言ってやろうと思ったんだ」

「絶対しないよ」

「怒ってやろうと、少し思ったんだ」

「怒らないの?」

「怒れないよ、そんな顔するんだもん」

不図、彼の言葉に反射的に自分の顔を手でなぞった。

何一つ、変わっているはずは無いのに。

それを見て、彼が鈴のように笑った。

やっぱり、何処か二人きりになりたいな。
二人きりの場所に行きたいな。

君が、僕以外の現象を映さないように目隠しをしたまま。

ねえ、余り未来や先の希望ばかり其の目に映さないでね。

途端に、遺されそうな自分に不安になってしまうんだ。

「何やってんの?」

「何だと、思う?」

「抱き締められている」

一寸、惜しいな。
そんな不満そうな顔をしないで。

「繋ぎとめて居るんだよ」


撃ってみようか、玩具みたいな銃で。
赤は君に似合うだろう。

掛けてみようか、錆付いた金具を。
鈍い光もきっと似合うね。

抱いてみようか、限界の身体で。
僕は、君に似合うだろうか?







不埒な妄想を抱いたら見透かしたように、君が眸を閉じた。









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