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星逢い




今日七夕っすね、と告げればああ、本当だねとそれきりの他愛も無い
会話に終わったので内心驚いたのを覚えている。
部活動の後、直ぐに部屋に行って泊まるから、なんて電話を家に
掛けておばさんの言葉に甘えてシャワーを浴びる。
貸してもらった先輩のパジャマと、先輩のシャンプー、リンス、そして
ボディーソープでふわふわと身体から香る匂いが彼のものであるのが
酷く恥ずかしいような、こそばゆいような、幸福であるような、
奇妙な気分だった。

「意外だって、顔をしたね」

ブランケットを巻きつけて寝転び、薄暗くした部屋の中で不二は
カーテンを開け放った。夜の街が覗いて、静かな住宅街は目を凝らせば
星が見えなくも無い。七夕は大よその確立で雨が降ると理科を教える
教師が言っていたのに。

「意外、のような。でも、先輩はやっぱりそういう非科学的なこと
 一切合切全然信じない人なんだ?」

「人をリアリストのニヒリストみたいに言うんだ」

「違うの?だって、アンタはリアリストのニヒリストでロマンチストだ」

「違いない」

矛盾しているけれど、と声を殺して不二は愉快そうに笑った。
隣に寝転ぶリョーマの黒髪がベッドのシーツに影を落として、
痛んでいないそれが鈍く光を放つ。
天の川みたい、星を散りばめた。
思いつくまま口にして、ほら、やっぱりと咎めるような口ぶりで
でも甘い声が転がった。

「だから、先輩ならきっと七夕とか気にしそうだと思ったのに。
 何の反応もしないんだもん。それどころか、俺が言うまで気にも
 留めていなかったみたい」

「そうかも知れない」

「リアリスト、夢が無いっすね」

「君に言われたくないなぁ。他人の恋路なんて興味が無いし」

星、見えるかい?
囁く彼に、リョーマは微かに頷いた。
不二はそういうけれど、でも、一年に一度しか会えないなんて可哀想。
前まではそんなこと思ったこともなかったけれど、こうして二人
出逢ってから自分でも自嘲したくなるようなことを考える。
不意に不二の手のひらがリョーマのそれに重ねられた。
一瞬どきりとする。
少しだけ低い体温が心地よいのに、心臓まで鷲掴みにされた気分だ。

「僕は、もっと非科学的で根拠の無いものを信じている
 ロマンチストだもの」

悪戯っ子の目で微笑む、どういうこと?と聞き返せば
吸い込まれそうな深い双眸が凛と見据える。





「赤い糸」





手を握ったまま、宙へと翳す暗闇の虚無に確かに
一本のなだらかな運命が結び付けられた気がして息を呑んだ。




















ちょっと一風変わった感じで。
不二先輩はリアリストのニヒリストでロマンチストだと思ってます。
うちの基本設定の彼を表すのに何て相応しい!(笑)
あと、エチゼニストですw










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Owner:momoya 2006 Not Take Free












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