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こぼれる体温





悴む指先に熱を求めて、白い息を吹きかける。
一瞬間だけ温もった手は、だけど外気に冷やされて
結局は「元の木阿弥」って奴だ。
幾度も繰り返しては、やがて冷やされるのを待つ俺を
まるで頭の悪い子を見るように一瞥して、男は横で溜息を吐いた。
どうせまた、そんなに寒いのならば手袋をしろとか思っているに
違いない。

「そんなに寒いならば、手袋しろよ」

―――嗚呼、ホラ。

想像通りの言葉を呆れ気味に零して自分の手袋を片方差し出すと
空いた手で、もう片方の俺の手を握った。

―――嗚呼、ホラ。

手袋に残された体温も、じんわりと滲む掌の温度も同じくらい
俺を幸福な気持ちにさせた。繋いだ手は温かくて、それで
冬の冷たさなんか、またどうでもよくなった。
どうだってよかった。
寄り添って機嫌の良い俺のことを、どうせまた子供の我が儘だとか
思っているんだ。気紛れついでに、キスを強請ってみる。
珍しく動揺して彼のことが、少しだけ可愛かった。

これは、内緒。









元Web拍手用の跡リョ。一寸不機嫌そうに話しかける跡部様と
一寸面倒臭そうに応対するリョーマさんを想像して頂ければ。



















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